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リヒャルト・シュトラウスの父親、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウスはミュンヘン宮廷歌劇場の首席ホルン奏者を務めていました。
当時の歌劇場では、ワーグナーなどの当時としては先鋭的な作品が上演され、父ヨーゼフはそれらを演奏していたにも拘わらず、彼は全く評価することなく、「ジュピター交響曲は最も偉大な作品である」とモーツァルトを全力で賛美していたといいます。
そんな父を持ったリヒャルト。
20歳頃までは父の教えに従い、かなり保守的な作品を書いていたのですが、その後の方向転換はご存知の通り。
父親がどれほど眉をひそめたかは想像に難くありません。
このアルバムでは、そんな父と子、そしてここから派生した「もうひとりのティル」を収録し、ホルンの妙技を通して、当時の音楽事情にも目を向けようという意図が感じられます。
ちなみに「アルプホルン」はリヒャルトが14歳の時の作品。
すでに型にはまることのない息子の才能が溢れ出しているように思われます。
ここでホルンを吹くハン・シャオメイもホルン奏者を父に持ち、10歳からホルンを始めた人。
共感溢れる歌心はそんな中から生まれたのでしょう。
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